在宅復帰への取り組み

チーム医療

各専門スタッフが連携して支援

患者さんおよびご家族と、各専門スタッフが連携して、患者さんの意思を尊重しながら、生活の質(QOL)の維持・向上を支援しています。

チーム医療は、患者さん、ご家族もチームメンバーとなります。
診療や療養に関するご質問やご相談、ご希望などをスタッフにお伝えください。

身体拘束ゼロ

患者さんの尊厳を守る転倒・転落防止対策

身体拘束は、転倒・転落の防止など患者さんの安全を確保する観点からやむなく行われているケースがあります。ただし、これは人権擁護の観点から問題があるだけでなく、患者さんの生活の質を損なうことになります。また最悪の場合、心身機能が低下し、寝たきりになることもあります。
当院では定期的に各専門職が参加して転倒防止カンファレンスを行い、それぞれの患者さんに合わせて入院環境を整えます。退院後の生活を見据えて部屋やベッドの場所を考えます。また、テレビや家具の位置を工夫し、ベッドの配置や高さを調整します。そして、全ての病棟で身体拘束ゼロを実践しています。

食べるリハビリ(口腔ケア・摂食機能療法)

口から食べることを大切に

口から食べられるようになることは、生活の質の向上や心身機能の改善につながります。
当院では早くからこのことに着目し、摂食機能療法と口腔ケアに力を入れてきました。
食べることが難しい患者さんほぼ全てに言語聴覚士が介入し、診療、ケアを行います。

看護師、管理栄養士と連携し、食事形態の検討やとろみ付け、食事介助の方法など細かい調整の上、患者さん一人ひとりに合わせた安全で最適な「食べるリハビリ」を提供しています。
この結果、回復期リハビリテーション病棟では、多くの方が口から食べることができる状態へ回復しています。また、重症の方が多い療養病棟でも積極的に摂食機能療法に取り組み、患者さんの生活の質の向上(より幸せに生活していただくこと)とともに、口から食べることを目指しています。

24時間生活リハ

日常生活をリハビリへ

生活リハ(生活リハビリテーション)では、リハビリ室で行う筋力アップや柔軟性アップを目指した機能訓練ではなく、入院生活の着替えやトイレ、入浴など患者さんの日常生活動作をリハビリと捉え、自分の力でできるように24時間支援します。
退院後も安心して過ごせるよう、患者さんの筋力や体力、バランスなど日常生活を営む上で重要な身体機能(基礎体力)の維持・向上を目指しています。

入院早期から退院支援

患者さん・ご家族の負担を軽減するために

ソーシャルワーカー(社会福祉士)は、患者さん・ご家族を社会福祉の立場から支援します。医療的・社会的・経済的問題など個別の相談に応じながら、問題解決に向けて情報収集、提案、調整を行います。

当院では、各病棟に専属ソーシャルワーカーを配置し、一人ひとりの患者さん・ご家族の状況を細かく把握し、安心して入院生活を送りながら、スムーズな在宅復帰を支援します。
入院時から面談を行い、早期から退院に向けての支援を行います。患者さん・ご家族の意向を確認しながら、介護保険や福祉制度の説明や相談に応じ、院内外の専門職種と連携して、患者さん・ご家族の負担が少なくなるよう細やかな調整を行います。

退院前の訪問指導

退院後の生活を想定して

入院中に、リハビリスタッフ・看護師・ソーシャルワーカーが、患者さんとともにご自宅や施設を訪問しています。退院後の生活を想定し、退院後に関わっていただく施設職員やケアマネージャーと協力し、実際に患者さんやご家族に日常生活の動作や介助方法の助言を行います。
また、住環境を調査し、必要な福祉用具の検討や使用時の問題点などを確認し、安全に生活できるよう助言やご提案を行います。

退院後の支援

退院後も安心して過ごしていただけるように

退院後にご自宅や施設を訪問して生活状況をお伺いし、介護やリハビリなどの情報提供や助言を行います。また、患者さんやご家族が不安を感じられた場合は、病棟看護師が電話でのご相談を24時間受け付けています。
急な発熱時の再入院や、在宅療養におけるご家族の負担軽減を図るレスパイト(短期)入院などにも対応しています。
退院後も患者さんが安心してご自宅や施設での生活を継続できるよう、サポートしていきます。